デザイナーの舞台裏 -個人でアイデアを商品に導く挑戦 10年の軌跡を追うCRUZ製作秘話-

   

 

1999年、実家の事情で地元福井に戻らなければならなくなりデザイン事務所を退社
福井にて再就職先を探す事となりました

福井といえば鯖江で有名な眼鏡産地。全国の90%以上のシェアがあります
福井で眼鏡デザインをすれば世界レベルの仕事ができる!
そんな思いから眼鏡会社(株式会社サンリーブ)へ就職

学生時代〜就職してからも絵を描く事に特出して学んできた私にとって
プロの物のデザインとは想像を超えた領域でした。

先輩方の些細な話題がついていけない
発想も美的バランス感覚も背景を見る視野もまったく私には手の届かない世界でした

急速に力をつけなくては!
切迫した思いと自己成長の必要性を強く感じ
社会人を対象としたデザイン講座(鯖江インテリジェントデザイン講座 SSID)を受講

このSSIDとは
国内外のデザイン賞を最多受賞し 医学博士でもある川崎和男氏が講師を勤める
デザインマネージャー育成講座
川崎氏の出身が福井である事から地場産業育成の為開かれた講座です

一年間、仕事後の土曜の夜のみの受講で 芸術大学3年分のカリキュラムを行う
他県に例のない講座であり、その内容は講座という響きから想像できないハードさ

例年受講生の半分以上が脱落し、私は十二指腸潰瘍になりました。

2004年にはこの講座がグッドデザインアワード日本商工会議所会頭賞受賞
残念ながら現在は同賞受賞の年に17年の幕を閉じました

インダストリアルデザインの世界に飛び込んですぐ受講したSSIDのおかげで
私のデザインに対する基盤は本質を見る力が染み込み
デザインをより深く考え、さらに求めるきっかけになりました。

その時期にデザインし直ししてみたゲームはこのような感じ↓
テーブルゲームアイデア

以後ずっと現在の会社にて眼鏡デザインの実務をつんで行くのですが
私の勤める株式会社サンリーブは後に通産省グッドデザインアワードを
14年連続受賞する業界トップと言われる企画力を持つ会社になります

その環境の中で先輩に辿り着こうとあくせく頑張る事が
気付かない内に自分のデザインスキルを上げて行ける事になるのでした

会社の中で自分の力の未熟さを痛感する中
20歳代半ばに「30歳までに自分に必要なデザイン力をつける!」と決意し
10年やっていた空手道(和道会)や趣味である音楽に目を向ける事を中断しました

友人のグラフィックデザイナー(emes氏)の力も借りながら
イラスト、グラフィック、ムービー、WEB等、広いジャンルを独学し
各公演会や講習等、成長できる機会を逃さないよう積極的に参加
眼鏡以外に自主的に様々な物のデザインを作成しながら
物のデザインとは?と自問自答を続けていく日々でした

例:その時期に描いたイラスト(イラストレーター使用)↓
イラスト

20歳後半に差し掛かった時、先輩が受講していた福井デザインアカデミー(FDA)が
デザイン総合専門誌のAXISに載り、この事が話題に
「間接的でもいいからAXISに載ってみたい」そんな思いのきっかけもあり
2005年FDAを年間受講する事に

そして、ここであらゆる初体験とCRUZの製品完成の場はやってくるのです

 

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